自閉症と異常反応⑫ フラッシュバック&パニック その1
この記事は以下の過去記事の続きです。
自閉症と異常反応⑩ 感情について その1 - 宿木御法のWhite Magic Life!
自閉症と異常反応⑪ 感情について その2 - 宿木御法のWhite Magic Life!
「異常反応」は一義流気功の知識体系に属する概念です。
minori-yadorigi.hatenablog.com
「感情の支配」
異常反応42%だった方のレポートの中にあった「感情の支配」という表現が印象に残っています。私はこのことと、自閉症スペクトラムの方が体験する「フラッシュバック」や「パニック」との関連を考えます。
フラッシュバックとは
自閉症作家・東田直樹さんの著書によると、「フラッシュバック」とは、「記憶がついさっき起こったことのように再現され、突然嵐のようにその時の気持ちが思い出されること」だと書かれています。
このことは、大まかに見ると「心の毒の直視」の過程に重なるように見えます。
「心の毒の直視」についてはこちらの過去記事に書きました。
気功メニュー 心の毒を直視して消す - 宿木御法のWhite Magic Life!
心の毒を「直視」している
「心の毒」を処理するために、過去のできごとを(潜在意識の中で)振り返ることは誰でもやってることです。
その過程を経なければ、たとえ長い時間が経過したとしても心の毒が抜けることはないからです。
このことについてはこちらの過去記事に書きました。
時間が解決? 「心の毒を直視して消す」メニューの特性① - 宿木御法のWhite Magic Life!
「できごとの直視」は潜在意識の仕事です。
つらかったことを人に話したり、あるいは自分一人の時に日記に書いたりしても「できごとの直視」は起こります。
そうした意識的な行動によってだけではなく、たとえば寝ている間に夢として、知らないうちに潜在意識が「できごとの直視」をやってくれていることもあります。
多くの人の場合、そんな風にして毎日少しずつ、心の毒を処理しながら暮らしているはずです。
自閉症の人の場合
しかし自閉症の人の場合はどうでしょう?過去記事でも引用させていただきました東田直樹さんの著書をもう一度引用させていただきます。
僕たちが困っているのは、このバラバラの記憶がついさっき起こったことのように、頭の中で再現されることです。再現されると、突然嵐のようにその時の気持ちが思い出されます。これがフラッシュバックです。
(中略)
楽しかったこともあったはずなのに、フラッシュバックで思い出すことはいやな思い出ばかりです。すると僕は急に苦しくなり、泣き出したりパニックになったりします。
ずっと昔に起こってもう終わってしまったことなのに、どうすることもできなかった気持ちが、あふれてあふれて抑えられなくなるのです。
『自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』第二章 対人関係について 19 フラッシュバックはどんな感じですか?より引用
同じ「心の毒の直視」という過程のなかにあっても、ほかの多くの人とは様子が違いますね。これを、反応だけが大げさであると考えるのは私は無意味だと思います。それほど強い反応を示すのならば、それだけの理由があると私は考えます。
反応の仕方が多くの人と違う理由は、直視している心の毒の姿が違うからなのではないでしょうか。一義流気功的な視点から、私はそう考えます。
フラッシュバックに悩む人の心はどのような心の毒に直面するのでしょうか?
そこでは心の毒はどんな風になっているのでしょう?
それについては、次の記事に書きます。