自閉症と異常反応⑧ 音やにおいへの感覚鋭敏について

 

 前回は「感覚鋭敏と感覚鈍麻」について、特に「痛み」について取り上げました。

「痛み」に関することついては、「異常反応が生み出す心の毒と関係があるのではないか」という私の考察を書きました。

 

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

今回は、「痛み」以外の感覚について書きます。

 

痛み以外の感覚の過敏さ

自閉症関連本には「痛み」以外の感覚に関する過敏さについてこんな風に書いてあります。

自閉症スペクトラムの子どもは感覚刺激に特有の過敏さをもっています。よく知られているのは、音やにおいへの不快感、皮膚に 感じる痛みなどです。

たとえば、救急車などのサイレンの音、工事現場の掘削機の音、警報音の音、リコーダーや太鼓などの楽器の音、怒鳴っている声、赤ちゃんの泣き声、犬の吠え声など、大きな音や甲高い音が耐えられないほど耳障りに感じられる場合があります。また、においにも敏感で、調理中の食材のにおいや人混みの蒸れたようなにおいなども苦手な場合があります。

不快に感じられる音やにおいには個人差があり、自閉症スペクトラムの人がみんな同じ音やにおいを嫌うわけではありません。一人一人苦手なものは違いますから、本人のようすをよく観察したり、話を聞いたりして個別に把握する必要があります。

 『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』ナツメ社(2017年)

 

痛みや熱には「感覚過敏」と「感覚鈍麻」両方があるけれど、

においや音については「鈍麻」があるとは書いてありません。

 

なぜ違いがあるのでしょう?

 

これについて、私は原因から結果に至る過程が違うからではないかと考えています。

 

痛みの場合も異常反応が原因だと思うのですが、それが直接「感覚過敏」や「感覚鈍麻」を引き起こすわけではないと思います。

 

異常反応が大きい(原因)

  ↓  

多くの心の毒が生み出される

   ↓

排出時に心の毒が集まって経絡を流れる

  ↓

強い痛みが偏在

   ↓

感覚が過敏なところと鈍いところができる(結果)

 

こんな過程があるため、異常反応は「間接的な原因」と言えると思います。

 

異常反応の生成過程から 

それに対して、音やにおいの場合はダイレクトに異常反応が原因だと言えるのではないでしょうか。異常反応の生成過程はこのようです。

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このような異常反応の生成過程を考えると、上の自閉症本に書いてある「一人一人苦手なものは違う」という点も説明できるのではないでしょうか。2歳以下に経験した「肉体的な強い衝撃」のバリエーションは限られているかもしれません。しかし2歳以下に身を置いていた環境が一人一人違うため、「何が異常反応になるか」は人によって違いが出てくるのだと思います。

 

参考資料

 

  『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』ナツメ社(2017年)