自閉症と異常反応⑪ 感情について その2
この記事は以下の過去記事の続きです。
minori-yadorigi.hatenablog.com
異常反応42%だった方のレポートには、嫉妬・羨望・恨み・憎しみ・悲しみといった感情が心を支配するような感じだったことが書かれていました。
自閉症の場合はどうでしょうか?東田直樹さんの著書から引用してみます。
僕たちが困っているのは、このバラバラの記憶がついさっき起こったことのように、頭の中で再現されることです。再現されると、突然嵐のようにその時の気持ちが思い出されます。これがフラッシュバックです。
(中略)
楽しかったこともあったはずなのに、フラッシュバックで思い出すことはいやな思い出ばかりです。すると僕は急に苦しくなり、泣き出したりパニックになったりします。
ずっと昔に起こってもう終わってしまったことなのに、どうすることもできなかった気持ちが、あふれてあふれて抑えられなくなるのです。
『自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』第二章 対人関係について 19 フラッシュバックはどんな感じですか?より引用
これは「フラッシュバック」と呼ばれるものについて書かれた箇所です。
続いて、「パニック」について書かれた箇所を見てみましょう。
パニックになる原因にはさまざまなことが考えられますが、環境を整えたり本人にとって不快なことを取り除いたりしても、パニックになることもあるのです。
(中略)
思い通りにならない体、伝えられない気持ちを抱え、いつも僕らはぎりぎりのところで生きているのです。
気が狂いそうになって、苦しくて苦しくてパニックになることもあります。
そんな時は泣かせて下さい。側で優しく見守ってください。苦しさのあまり自分が分からなくなり、自傷、他傷行為をするのをとめてください。
『自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』第五章 活動について 57 どうしてパニックになるのですか?より引用
東田さんの著書の中では二つのことが別々の章に書かれていますが、読んでいるとどちらも「感情の支配」ということが根っこにあるように感じられます。
次の記事では、同じことについて一義流気功的な角度から見た考察を書きたいと思います。