この記事は以下の二つの過去記事の続きです。
異常反応の影響① 異常反応と認知 - 宿木御法のWhite Magic Life!
自閉症と異常反応③ 蝶、いる? - 宿木御法のWhite Magic Life!
目次
自閉症と異常反応について
「異常反応」と「自閉症」(あるいは「発達障害」)では言葉が違うのだから、その指す内容がぴったりと重ならないのは当たり前だ
…という説明はなんか雑だと思うので、もうちょっと丁寧に書いてみます。
一義流気功でいう「異常反応」という概念は、もともとは人の生活の中の「困り事」を解決しようとして考えられたものです。だから「異常反応」という言葉が指す意味内容は基本的に「困り事の原因」なのだと思います。
「蝶の羽」という自然の小さな世界に美しさを見出し、そのビジョンを鮮やかに記憶する東田さん。彼の著書には自然の美しさに関する記述がたびたび登場します。
「自閉症」という概念は、もとは精神科医のカナーという人が指摘したものです。だから最初は「困り事の解決」を目的に考えられたと言えるのかもしれません。しかしそれも20世紀の中頃のことです。カナーの指摘から時を経て、自閉症の内実はたくさんの人によって探求されてきました。
「自閉症スペクトラム」という捉え方が示すように、その概念は広がりがあっていろいろな要素を含むものになりました。そこにはもちろん美点も含まれているのだと思います。
だから「異常反応」の概念とぴったり重ならないのかもしれません。
ちなみに異常反応が世の中にもたらしたものの中にも「良いもの」はあると私は考えています。それについては、また別の機会に書きます。
発達障害と異常反応について
「発達障害」という概念も、人の特性を理解するためにさまざまな局面で持ち出されるようになったのではないかと思います。
前回引用させていただきました岡南さんの本『天才と発達障害』にも書かれているように、認知に特性があって、それが発達障害と重なるというのはおもしろい視点だと思いました。
私はこのブログで一生懸命イラストを描いていますが、自分の特性を考えると「聴覚優位」なのではないかと思います。聴覚認知に比べて視覚認知はだいぶ苦手です。いくら絵が好きでも、イラストレーターとしてデビューするのはかなり苦しいと思います。
異常反応の解体気功を受けたからといって、聴覚優位ではなくなるわけではないみたいです。
でもそうした自分の特性が嫌いなわけではないので、特性は特性のままで良いのではないかと思っています。
アントニオ・ガウディみたいには絶対なれない!けれどそれで良いです。