自閉症と異常反応⑰ 構造化 その1

この記事は以下の過去記事に関する考察です。

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

このカテゴリーでは異常反応と自閉症との関連を考えています。

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構造化とは

「構造化」という言葉を聞いたことがありますか?「構造化」は、自閉症スペクトラムの人への支援の手立てに関するある一つの考え方です。

自閉症に関する本にはこのように書かれています。

「構造化」とは、可視化、見える化と言い換えることもできます。時間や手順などの目に見えないものが理解しにくい自閉症スペクトラムの子どもに、目に見える形で表し、理解を促す方法が「構造化」なのです。

  『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』ナツメ社(2017年)より引用

 

構造化の例

「構造化」できる対象はさまざまです。「空間の構造化」と「手順の構造化」を例に書いてみます。

空間の構造化

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図のように部屋ごとの使用目的を一つに限定することで、自閉症の子どもたちが安心して過ごせるということで、療育の方法として、そして家庭でも取り入れられている方法だそうです。

 

手順の構造化

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これは手洗いの手順を書いたものです。ほかにも、いろいろなことの手順や行程を表にしたり、さまざまな場面で使われているそうです。

 

構造化のメリット

自閉症スペクトラムの人は、いま自分が取り組んでいるプロセスが全体のどの部分に当たるのかを理解するのが苦手です。ですから、そのことが視覚的に確認できると安心できるのです。

 『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』ナツメ社(2017年)より引用

 

 今自分が取り組んでいるプロセスが全体のどの部分に当たるか、視覚的に確認できると安心ということは私にも身に覚えがあります。

いま私がしている仕事は学習塾の講師なんですが、受験期になると非常に仕事が立て込んできます。だいたい小6から高3までで、扱うことの範囲が広くなってくるし、合宿とかもあったりして、立て込みすぎると軽くパニックになりそうです。

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そんなとき使うのが「To doリスト」というもので…

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こんな風に「可視化」しますと、仕事が今どれくらい進んでいるのかということがわかるようになって私のパニックが防げるので、このリストを非常に重宝しておりました。

 

長くなったので、次回に続きます。

 

おまけ

「手洗いの歌」っていうのもいろいろありますよね。

新型コロナ対策のために作られたものもあるし、それより前から保育園とか特別支援学校とかで歌われているものもあるようです。手洗い歌の「まとめ」がありましたので、リンクさせていただきます。

hoiku-is.jp

「歌」なので「可視化」とは少し違うかもしれませんが、「手順を明らかにする」という意味では「構造化」と似ているかもしれません。

 

参考資料

calil.jp