異常反応の影響③-2 知性・感情・思考
この記事は以下の過去記事の続きです。
自閉症と異常反応⑱ 構造化 その2 - 宿木御法のWhite Magic Life!
時間や手順など、目に見えないものを可視化して示す支援の手立てのことを「構造化」と言いますが、それは「頭の中にある見えないリストを外在化する(自分の外側に置く)こと」であるとも言えそうです。
異常反応で余裕がない状態
前回の記事では、
計画や手順などの可視化されていないリストを扱えるかどうかは、使える精神エネルギーに余裕があるかどうかで決まってくるのではないか、と書きました。
一人の人間が一度に生み出せる精神エネルギーの量は有限ですから、
仕事が立て込んで来たりして余裕がなくなってくると、計画や手順を可視化(=構造化)したほうが楽になります。
この「精神エネルギーに余裕がない状態」というのは、「仕事が忙しくなる」以外にも「異常反応が大きい」ことによっても作られます。
今までご説明してきたように、異常反応は正常に使える精神エネルギーを削る存在です。異常反応に犠牲にされた分を差し引き、さらに生存のために必要なエネルギーを差し引いた中から、仕事に使うエネルギーを生み出します。
こうした場合、 手順やルールなどの目に見えないものを自分の外側に置くと、有限な精神エネルギーを節約する結果になるんだと思います。
異常反応がありながら適応する
異常反応レポートの方は「自分の外の情報は扱える」と書いていました。
これは、「構造化されている仕事なら、することができる」とご自分で分かっていたということなのかなと思います。
・状況別の人の行動を真似て応用する
・プロジェクト単位の仕事に参加する
大きな異常反応を抱えたままでも、適応的にお仕事をされてきたんだなと私は思います。
・状況を指定し、目的を限定する
・世界が限定されている
「ここまでもっていくと仕事ができる」と自分で分析できていたというのはすごいことだなと思いました。
異常反応の解体後
異常反応解体後のレポートにはこんな風に書かれています。
まずは42%から23%になった時です。
数日ほど時間はかかるが、自分の考えをまとめて意見を伝え、行動に移すことが、少しずつできるようになってきた。行動に納得感があり、腑に落ちて、満足する感覚を味わうことができている。
一義流気功創始者 小池義孝 公式ブログ(Amebaブログ)より引用
そして23%から0%になったときは、このようです。
集中力があがった。思ったことをすんなり行動に移すことができる。頭の中がびっくりするくらい静か。
一義流気功創始者 小池義孝公式ブログ(Amebaブログ)より引用
私はこの方を直接知るわけではありませんので、イメージでイラストをつけさせていただいています。引用元はこちらです。
【心の健康】異常反応42% → 23% → 0% の方から、詳細なレポートを頂きました。(続き) | 壱義流気功 創設者「小池義孝」公式ブログ
頭の中がびっくりするくらい静かとありますが、この方のレポートには音になぞらえた表現が多いです。 異常反応が42%の時の様子は「常に頭の中が騒音でいっぱい」と表現されていました。
まるで頭の中で鳴り続ける騒音のようなものは、異常反応からの影響によるものだったようです。
異常反応が23%になったときは「数日ほど時間がかかる」状態だったとありますが、0%になったときは「思ったことをすんなり行動に移すことができる」とあります。
このことは、きっとお仕事にも良い影響を及ぼしたのだろうなと想像します。