この記事は過去の二つの記事の続きです。
minori-yadorigi.hatenablog.com
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感覚過敏・感覚鈍麻について
自閉症について書かれた本にはこんな記述もあります。
抱っこをいやがる赤ちゃんは、皮膚感覚が過敏である可能性が考えられます。
また、頭をなでられたり、ちょっと肌にふれられただけで痛みを感じる子どももいます。屋外にいて、突然、小雨が降り出したときなどに、腕や足に雨粒が当たって痛いと感じるケースもあります。
その一方で、感覚鈍麻が見られることもあります。
感覚過敏がありながら、感覚鈍麻があるというと、矛盾するようですが、ある種の音は平気だったり、けがの痛みや発熱などの体温の異常にはまったく気づかなかったりするのです。
『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』(ナツメ社・2017)より引用
感覚過敏がありながら感覚鈍麻があるというと矛盾するようだと書かれていますが、そのことは「痛み」という観点から説明がつくかもしれません。
異常反応レポートから
異常反応42パーセントだった方のレポートにはこう書かれています。
体中が痛い。重い。消耗している。自分の体を全体として感じることが困難。部分的に、痛い部分や違和感のあるところにフォーカスを当てることは出来る。逆にいうと、常に痛いところにフォーカスがあたっており、何も感じないところや弱い感覚は感じられない。痛みなど不快な感覚が強すぎたのかもしれない。
一義流気功創設者 小池義孝公式ブログ(Amebaブログ)より引用
痛いところ→感覚鋭敏
そうでないところ→感覚鈍麻
なのかもしれません。
たとえばけがをしても気づかないのは、その場所が意識をフォーカスできる場所じゃないから(もっと痛い場所があるから)なのでしょうか。
今後の課題
これまで「痛み」を軸に考察してきましたが、私が今持っている知識や経験だけではまだ確かなことは言えません。
「体中が痛い」ということを解消すると、自閉症の方が抱えるいくつかの困りごとが解決するかどうか探求するということが、今後の私の課題です。
そうするためにはもっとたくさんの本を読み、たくさんの人から話を聞かなければならないと考えています。
参考資料
『最新図解 自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本』ナツメ社(2017年)