自閉症と異常反応⑱ 構造化 その2
この記事は以下の過去記事の続きです。
自閉症と異常反応⑰ 構造化 その1 - 宿木御法のWhite Magic Life!
時間や手順など、目に見えないものを可視化して示す支援の手立てのことを「構造化」と言います。
異常反応レポートから
異常反応が42%だった方のレポートにはこう書かれていました。
自分の外側の情報は扱える。学習したルールや秩序、状況別の人の行動などを真似したり応用したりして使うことは可能。状況を限定し目的を指定しないと、どうしていいか分からなくなる。プロジェクト単位だと世界が限定されるので、仕事はすることができた。
一義流気功創設者 小池義孝公式ブログ(Amebaブログ)より引用
この部分を読んでいて、私は「構造化」のことを連想しました。
情報を自分の外側に置く
異常反応レポートには「自分の外側の情報は扱える」とあります。
前回の記事で触れましたが、私も仕事で大変な時は、情報を自分の外側に置いていました。
このようなtodoリストを作り、机の上の見やすい位置に貼ったりしていました。
自閉症の子どものための他の構造化の手立ても、情報を外側に置くということなのではないかと思います。
手を洗う「手順」は目に見えません。手を洗うことに慣れている人は、目に見えない手順を毎回頭の中から取り出して実行することができますが、慣れていない人には難しいのではないでしょうか。
情報を外側に置くとき
私がto doリストを使うのは、仕事が立て込んだときだけです。
立て込んでないときは使いません。しかしそういうときでも、このリストは自分の頭の中にあります。
目に見える形で外在化していなくても、扱えるわけです。扱える理由は、精神エネルギーに余裕があるからなのではないでしょうか。
有限な精神エネルギー
人間が一度に生み出せる気(精神エネルギー)の量は有限です。
そのことは、こちらの過去記事でも触れています。
minori-yadorigi.hatenablog.com
一度に生み出せる気の量の中で、身体の運営や認知など生存に必要なエネルギーを差し引き、その中から仕事をするためのエネルギーをやりくりしているわけです。
しかし仕事が立て込んでくると、有限な精神エネルギーの中でやりくりするのがだんだんキツくなっていきます。
余裕があるときとないときの違い
頭の中にある見えないto doリストを呼び出して、頭の中だけで処理するにも精神エネルギーを費やすはずですが、余裕がある状態だとそれが楽にできます。
しかし余裕がない状態(=仕事に使える精神エネルギーが足りない状態)だと、難しくなります。
頭の中に書いたメモをいちいち取り出すよりも、書いて見えるところに貼っておくほうが精神エネルギーの節約になるんだと思います。
たとえば案件がいくつも重なった場合なんて、可視化されていないそれぞれの計画リストを頭の中だけでいちいち呼び出すのなんて本当に大変ですよね。慣れた仕事なら大丈夫かもしれませんが、その都度新しくやり方を考えないといけない事だったら、構造化(=可視化)をしないでやっていくことなんてかなり無理があるように思います。