異常反応と「敏感さ」について

この記事は前回の記事の続きです。 

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

もくじ 

 

異常反応と敏感性について

私が気功のクライアント様と『ひといちばい敏感な子』の読書会をするわけは、敏感性が異常反応と深く関わっている場合があると考えるからです。

 

「異常反応」は一義流気功の知識体系に属する概念です。概要は以下の記事のいずれかをご覧ください。

minori-yadorigi.hatenablog.com
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異常反応は「2歳以下の肉体的な衝撃を受けた体験によって作られる不合理な恐怖心」です。

私は「異常反応の割合が高くなってしまう」ということに、その赤ちゃんが「敏感である」という因子が関わってくるのではないかと考えています。同じ刺激を受けても、それが「理性が飛んでしまうほどのものかどうか」というのは赤ちゃんによって違いますよね。同じことでも平気な子もいれば、そうでない子もいて、個人差があるのは当然だと思います。

例えば上の過去記事の「地震でベビーベッドが揺れた」というようなことがあったとしても、感じ方は赤ちゃんによってそれぞれ違うと思います。敏感な赤ちゃんほど衝撃を強く感じ、理性が飛ぶ可能性が高いのではないでしょうか。

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つまり敏感な赤ちゃんほど、2歳以下の体験によって異常反応が作られる機会が多くなる、と私は考えています。

 

「敏感さ」は気質

アーロン博士の研究によると「敏感さ」というのは気質であって、生まれつきのものです。後天的に作られた性格などではありません。

私は自分の敏感性にまつわる問題が、異常反応の解体とその後の好転反応によって解消されていくのではないかと思っていました。ところが異常反応の解体を受けてから5年以上経った今、異常反応にまつわるさまざまな問題が消えても、敏感性に関わる問題だけは消えませんでした。

「敏感さ」というものが生まれつきの気質であることを考えれば、これは当たり前のことです。生まれつきの気質まで気功で変えられるわけがないのです。

しかしアーロン博士の本を読み、敏感気質について知っていく中で、私はそのことを「問題」ではなくある意味「長所」と捉えるようになりました。

 

「敏感さ」の価値

敏感さとともに生きていくのは大変なことです。そのうえ大きな異常反応を抱えていれば、さらに大変さが増します。私の異常反応は24%でした。つまり、敏感性からくるの問題と異常反応の問題と、ダブルで抱えていたということになります。

生まれつきの気質自体は善でも悪でもなく、それ自体の価値はもともとニュートラルであるはずです。それが、その人が生きる社会や文化のなかで、「長所」にも「短所」にもみなされ得るのです。自分の敏感さを「長所」と捉え、それを活かして生きていくこともできると気づいたのは、アーロン博士の本を読んだことがきっかけでした。

 

大きな異常反応を抱えている人の敏感性が強いということは、高い確率でありうることだと私は考えます。

クライアント様とエレイン・アーロン著『ひといちばい敏感な子』の読書会をするのはそのためです。