バランスを取りながら冷えとりをしよう!

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「生物―心理―社会モデル」は1977年に精神科医のジョージ・エンゲルが提唱した人間の見方についてのモデルです。人間を考える際には生物学・心理学・社会学の3つの視点から総合的に見ていくことが大切であるという考え方にもとづくモデルです。

健康を考えるとき、よく「心と体はつながっている」と言われます。体だけを良くしようとしてさまざまな健康法に取り組むと、その枠組みばかりにとらわれ「ああしなきゃ、こうしなきゃ」と心が緊張してしまいます。リラックスができない状態が続くとかえって体の健康にとっても害になってしまいます。だから「自分のペースで無理なく続けることが大切だ」と言われます。

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では、心と体の調和がとれる形で健康法を続けていけばそれで良いのでしょうか?

ここで忘れられがちなのが「社会」という視点です。「社会」というのは人間が助け合って生きる場のことです。「人間関係」と言い換えてもいいかもしれません。

たとえば何かの健康法に取り組んでいて、特定の食べ物を控えていたり少食を心掛けていたりする時に、大切な友人から「食事をしにいこう」と誘われて、断りたくなかったらどうでしょう?

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進藤良晴先生や幸恵先生は、「そういう時は友人と楽しく食事ができることに感謝し、喜んで食べれば良い」とおっしゃいます。この考え方は「生物―心理―社会モデル」的にバランスの取れた考え方であると私は思います。「心理(心)」「生物(体)」だけでなく、一番忘れられがちな「社会(人間関係)」のことをしっかりと視野に入れているからです。

 

冷えとり健康法は標準医療的な治療ではないし、「医師の指示」とも違います。言われたからといってその通りにやれば健康が保証されるというものではありません。私も医師ではありません。私が冷えとりを通してクライアント様にお伝えすることは、健康を志向する人への一つの提案に過ぎません。提案された考え方や方法を選択するかどうかは、クライアント様お一人お一人が決めることだと思っています。

冷えとり健康法は「健康を考えるための一つの枠組み」だと私は考えています。その枠組みの中で自ら考えることによって健康に関心を持ち、より幸福に生きていこうとする人が増えていくようにと願っています。

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