自閉症と異常反応① 遠回りでも同じルート

 

 

遠回りでも同じルート

まだ私が気功を習い始めて間もないころ。同じ一義流気功で気療院をやっている先輩のところへ行ったことがありました。そこでお話をしている時、先輩いわく。

 

ある人が気療院に来た時、入り口に置いてあるものを避けて奥に入ったんですよ。 

 f:id:minori_yadorigi:20200224214419j:plain

それは普通のことだと思いますが、障害物がなくなったら普通は最短距離で進むじゃないですか?

f:id:minori_yadorigi:20200224214656j:plain

でもその人、ものの位置が変わってもわざわざ最初に通ったルートでまた奥に入ったんですよ。

これは異常反応が高いせいだなと思いました。

f:id:minori_yadorigi:20200224214828j:plain

ええっ…?

 

途中まで「うん、うん」と聞いていた私ですが、最後のところで「ええっ…?」ってなりました。なぜかというと、私は途中まで自閉症の話をしていると思ったからです。

私は自閉症について専門的に勉強したわけではないので、限られた知識しか持っていません。でも「遠回りでも決まったルートを通る」という行動のことは(よく知られていることなのか)私でも聞いたことはありました。

 

自閉症のお子さんがいるハンドメイド作家のmoroさんのブログには、こんな風に描かれています。

遠まわり。 : 「moroの家族と、ハンドメイドと。」moroオフィシャルブログ

 

でも一義流気功の視点から見ると、それは「異常反応が大きい」ということになるんだ、と気づき、ハッとした瞬間でした。(この時一義流気功は習いはじめたばかりで、異常反応のことはまだ深く勉強していませんでした。)

 

「異常反応」は一義流気功の知識体系に属する概念です。

当ブログの異常反応カテゴリー記事へはこちらからどうぞ。

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

自閉症と異常反応の重なり

その後、「自閉症と異常反応が大きいことは重なりがあるかどうか」という視点を持ちながら勉強を進めてきました。

これまでの探求の結果…

重なる部分はあると思います。もちろん、私が自閉症について何でも知っているわけではありませんので、どのくらい重なりがあるかまでは言えません。でも、いくつか重なる点があると思いました。その部分については今後このブログの中で書いていきたいと思います。

また、自閉症の特徴と言われていることでも、異常反応が大きいことの特性からは説明できない点もあります。これらはいったん保留にして、今後考えていきたいと思っています。

 

自閉症スペクトラム

この記事では「自閉症」と表記していますが、最新の「DSM-5」(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)では「自閉スペクトラム症」となっているそうです。「スペクトラム」は「連続体」という意味です。

自閉症の概念を最初に発表したのは精神科医のレオ・カナーという人でした。

 レオ・カナー - Wikipedia

当時は自閉症児のほとんどが知的障害を伴うものと捉えられてきたため、その後知的障害を伴わない自閉症のことを「高機能自閉症」と呼んだり、その中でも言語能力や知的能力が高い人について「アスペルガー症候群」と呼んだりと、いろいろな名前がつけられてきました。

現在はそれらの概念を統合し、「健常者」といわれる人たちとの連続性を示すものとして「自閉症スペクトラム」という視点が考え出されたということです。

(説明があまりうまくなくてすみません。もっと上手に説明してあるページのリンクをはらせていただきます)

『スペクトラム(連続体)』の理解

 

ご注意

何度も書きますが、一義流気功と精神医学の「どちらの視点が優れているか」ということを言っているわけではありません。一義流気功を習ったからといって、私がそれだけに傾倒することはありません。人の心身のことについては(どんな視点を使ったとしても)まだまだ分からないことが多いと思います。だからこそ、さまざまな視点から探求していきたいと考えています。