秘教の勉強をしていると、中には想像を絶する遠い世界の話も出てきます。そういう話を、「分からないから」と遠ざけるのは私は嫌だと思いました。
「分からない」で終わらずに、それが何なのか(秘教の本にはどのように書かれているのか)、まずは客観的に知るところからはじめました。
しかし自分の在り方からは遠すぎて、正直全然分からないこともあります。
そんなとき、この本で読んだ「宇宙の果て」の話を思い出します。
多田将『宇宙のはじまり』イースト・プレス(2015)
物理はすごく苦手な分野ですが、私なりに読んで分かったことを書きます。
天文学者のハッブルは、「すべての星は地球から遠ざかる方向に動いている」ということを見つけました。地球から観測すると、他の天体は地球を中心に遠ざかっているように見えるそうです。
このことから、
地球が宇宙の中心なのか?
広がる宇宙には果てがあるのか?
という考えが浮かびますが、そうではないのだそうです。
宇宙を風船の表面にたとえると…
A星から見ると、他の星がまるでA星を中心に遠ざかっているように見えますが、それは他の星にとっても同じ。
風船がふくらむところを、風船から離れた位置から見ていると、風船の表面には中心がないということがわかります。
また、広がる風船の表面のどこかに「果て」があるかというと、そうではありません。まん丸の形だから、はじまりも終わりもないということがわかります。
しかし、風船の表面の住人からは、そのことが想像できません。風船の表面にはりついて、そこから離れられないでいる限りは、絶対に分からないことなんです。
表面(二次元の世界)から離れて、一つ上の次元(三次元の世界)から客観的に見ないと分からないことなのです。
実際の宇宙は三次元。
私たちは三次元の世界に生きていて、そこで生きている限りは三次元から飛び出せない存在です。
三次元の広がる宇宙に果てがあるかどうか?
これは、私たちが生きている世界(三次元の世界)から離れて、一つ上の次元(四次元の世界)から客観的に見ないと分からないことなのです。
だから、私たちの在り方からは絶対に想像できません。
『宇宙のはじまり』を読んで、著者の説明を私はこのように理解しました。
次回につづく!
参考資料
多田将『宇宙のはじまり』イースト・プレス(2015)