WMフォーカス 規定2 「具体的マインドの強力な発達」とは?

「WMフォーカス」は、アリス・ベイリー著『ホワイトマジック』の中で私の気になる箇所にフォーカスしてそこから考えたことを書くコーナーです。秘教を知っている人も知らない人も楽しんでいただけたら幸いです。

この記事は、規定2「オカルト学習での障害」に関する内容です。

 

要約はこちらの過去記事に掲載しています。  

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

もくじ

 

具体的マインドの強力な発達

規定2本文では「オカルト学習」の障害として4つの障害が挙げられています。この中で私がとくに気になるのは2つ目の「具体的マインドの強力な発達」という障害です。「気になる」というのは、元国語科としてです。

私は20代のころ高校生に国語を教えていました。 

minori-yadorigi.hatenablog.com

 

「マインド」は秘教では「知性」とか「思考」に関する言葉のようです。

「具体的」というのは、どういう意味なのでしょうか?

高校生が使う現代文単語帳にはこんな風に書かれています。

具体(ぐたい) はっきりした姿・形を備えていること。

『大学入試 現代文キーワード』桐原書店より

 

そしてその対義語として「抽象」という語が挙がっています。

抽象(ちゅうしょう) 共通点を抜き出し、一般的な考えにまとめること。

『大学入試 現代文キーワード』桐原書店より

 

規定2本文では、「具体的マインド」の言い換えと思われる言葉として「低位マインド」という表現が見られます。これに対し「高位マインドつまり抽象マインド」という表現も見られます。「具体―抽象」という対応関係としては大学入試の現代文キーワードと同じ認識で良いようですね。

しかし「具体」の方が低位で、「抽象」のほうが「高位」だというのは、読者のみなさまにはピンと来ているのでしょうか??

私は「具体」より「抽象」のほうが「高位」だと思っています。

たとえば大学入試に出る評論だと、抽象度の高い文章ほど難しくなります。評論のジャンルには哲学や心理学、科学、歴史、医療、芸術などさまざまな分野がありますが、とくに難しいと思うのは経済学や記号論の文章からの出題です。と、いいますのも、この二つの分野はとくに「はっきりした姿・形」を備えていないもの(=抽象的なものごと)を思考の対象としているからなのではないかと思います。

 

抽象的=良くないこと??

私は元国語科として、生徒に高校の三年間でより抽象度の高いレベルで思考ができるようになっていってほしいという願いを持っていました。

受験生であれば、抽象度の高い文章が出題されても強気で立ち向かっていくような。

また文学的文章を扱っても人物の心情などを抽象化して表現する・まとめるということを重視しておりました。

ところが生徒と会話していると、むしろ「抽象的」ということが「良くないこと」だと考えている子もいることが分かってきました。たとえば

「それって、ちょっと抽象的な言い方だよね?もっと具体的に分かりやすく言わないとダメだよ」

みたいな感じのことを言う子がいるのです。この子の中では

「抽象的」=「分かりにくい(ダメ)」

という認識になっているんですね。そもそもどうしてそうなるのか考えてみますと、中学校では「具体的に表現したり考えたりするのが良い」と教えられてきた(とその子が思っている)からではないかと私は思います。

中学生の段階って??

中学生というのは抽象的な思考ができるようになり始めたばかりの段階です。数学なんかでも、たとえば「負の数」とか「平方根」とか、「実態を持たない数」に最初に触れるのは中学校の段階です。こうしたものは、小学生が持っている「算数セット」の道具では(具体的に)表せないものだと思います。

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ところが中学生頃の子どもたちは、しばしば具体的なレベルでの思考に戻らなければ理解が難しいので、先生から「抽象的なままだと理解できないから、具体的に考えてみなさい」みたいなことを言われるのではないでしょうか。国語科だと「具体例を重視しなさい」とか「自分で具体例を挙げてみなさい」とかいう感じでしょうか。

それはたしかに大事なことなんですが、高校生の段階では具体的な思考のレベルにとどまってばかりいると、なかかな先には進めないということになるのではないかと思います。

規定2本文の「具体的マインドの強力な発達」という表現を目にして思い浮かんだのはこのようなことです。

  

この障害を克服するにはどうしたら良いのでしょうか??

次は『ホワイトマジック』規定2に書かれている「障害の克服」を要約してみたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。